2007-08年度 米山奨学生
2007/9/12 米山奨学金贈呈
米山奨学生 郝 鋒さんスピーチ
2007/10/3

 みなさん、こんにちは。米山奨学生に選ばれまして、また、皆さんと話す機会をいただいて、私にとって、身に余る光栄でありますし、深い喜びでもあります。奨学生に選ばれることは、私の勉学と異文化交流などに対する今までの最高の評価ではないでしょうかと考えております。そこで、今回私は勉学と異文化交流の二つの面からスピーチしたいと思います。

 私は2001年4月に来日して、最初千葉県の柏市朝日国際学院で一年間日本語力を磨いて、レベルアップを図ってみました。そして、一年の努力で、日本語一級試験と留学生統一試験(センター試験)を無事に通過して、今の福島大学に入学しました。今年は留学生活が七年目になります。現在経済経営学研究科二年生であり、日々修士論文に悩んでいます。(笑い)

 日本には、「石の上にも三年」という諺があります。この諺は、粘りの強さの重要性を強調するものです。若者なら、誰でも夢を持つでしょう。私が思うのは一つの夢の実現は自分の努力次第で、志を立て、それを目指して粘り強く頑張れば、必ず成功を手に入れることができることです。そして、より高い目標を実現するため、すでに手に入れたものを捨て去る度胸も必要だということです。私の夢は将来一起業家として、自分の会社を立ち上げることです。だからこそ、先進的な経営理念と方法を勉強しようと思いながら、経済大国にやってきました。

 しかし、行き先はすべて甘いことではありません。留学する前に、日本の物価が高いから、言葉があまり通じない私は生活できるのか、また日本の国立大学はいったいどんな仕組みでどうやって入れるかという不安な気持ちを抱えていました。実に、来日してからいろいろな困難を直面して、その中で一番困るのは、生活と勉強が両立できないことです。生活のために、アルバイトをしなければならなくて、そうしたら、大事な勉強時間は少なくなり、仕方なく睡眠時間を削って、深夜まで勉強する日々を送っていました。

 福島大学の合格通知書を受け取ったとき、まず一安心しましたが、しかし、これは決して終わりではないのです。一つの通過点に過ぎません。今までの経験を生かすのはこれからです。志を立てて努力さえすれば、世の中に難しいことはありません。夢が叶う日が必ず訪れることを確信して頑張っていきたいのです。

 次には異文化交流に関して私の考えを話していきたいと思います。日本に来て三ヶ月が経たないうち、私は千葉県の外国人留学生スピーチコンテストに出場し、「漢字の不思議」というテーマで金賞をいただきました。スピーチの内容は私が日本に来たばかりのころ漢字のニュアンスによって起こったエピソードでした。たとえば、皆さんはご存知かもしれません、「手紙」は向こうで「トイレットペーパー」の意味で、最初小説の中に「遠方から恋人の手紙が届いてくれた」のワンフレーズを読んだとき、思わず笑いました。また他に「娘」という日本語は向こうで「お母さん」の意味で、そうなると、「モーニング娘」は「おはよう、お母さん」に変わってしまいました。なんということでしょう。私は日本に来たばかりの時、旅館の暖簾に描かれた「男湯」、「女湯」を見た瞬間にびっくりしました。こんな「スープ」もあるんだ、どんな味だろう。とんでもない笑い話にしました。

 他にもまだたくさんありますが、日中両国はともに漢字を使う国であり、生活習慣も大変似ているところが多いです。他の国と比べ、両国はよりよい友好交流を結ばれるはず、私はそう思います。もちろん、交流の架け橋として、わたしたち留学生は大変期待されているではないでしょうか。日本と母国の二つの文化の架け橋になるため、私は精一杯の努力をしていきたいと思っています。この役割を果たすため、「日本と母国の文化の文化交流の担い手」について考えてみました。今日は日本留学7年間の体験を通して、異文化交流において最も大切なこととして、次の三点は大事ではないでしょうか。ここで皆様と一緒に考えていきたいと思います。

 一番目は、マスメディアの情報を鵜呑みにしないことです。文化交流の架け橋になるには、マスメディアに操られることなく、ちゃんと自分の目で確かめ、正しいことを伝えるべきではないでしょうか。

 二番目は、自分たちの眼鏡の色で相手方の文化を評価しないことです。それぞれの国が持つ文化や価値観を正しく認識し、自分の尺度だけで相手方を測ることをしないことが、異文化の間に存在する「川」を乗り越えるため、それは基本中の基本だと思いませんか。

 三番目は「心と心の交流」で、血の通った交流は最も大切だと思います。文化とは人と人が付き合う中で生まれるものと思います。自分が異なる文化の中に身を置いて「心と心」の交流をすることがその文化の理解に役立つことをこの7年間の生活体験で一番感じました。
 最後には私の現在の研究内容について、皆様に簡単に紹介したいと思います。
 近年、日本経済低迷の下で、経済発展や産業活性化のために、大学と協力が必要ではないかとの考え方のもとに、産学官連携の重要性が指摘され、TLO、大学発ベンチャーなどの産学官連携施策が多く行われています。

 一方で、これら多くの施策にもかかわらず、新事業が創出されているのか、ベンチャーが経営的に成り立っているのかなどの疑問も出始めています。また産学官連携に関する多くの施策、研究、提言についてそれらの間で統一が取れているとはいえません。このような状況下で、私は産学官連携を行う際の効果的、効率的方策およびその際の大学の役割について統一的に理解できる概念の提言を行うつもりです。以上ご清聴ありがとうございます。